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2010年6月6日日曜日

研究所、鋭意活動中!















(6/5 exphoto定例会の様子)

立ち上げから早1ヶ月が経過した「エクスパンデッド・フォト研究所」、毎週休まずに鋭意活動中です!

メンバーは所属学科の学生や大学院生を初め、最近は卒業生も遊びに来てくれてうれしい限りです。
各自の制作の進捗報告や既存作例の研究、最新機材のチェックや自作機材のお披露目などなど…
これも一つのアフター5の楽しみ方!

ともあれ中長期的な目標として、やはり展示を成功させるというのが使命です。
楽しくがんばります!

2010年5月11日火曜日

『デジタル対応引き伸ばし機』への夢


















(フォトグラム習作:1000円札をネガキャリアに設置し、印画紙に直に感光。 ※お札の複製は違法ですが、これは『複製』では有りません。悪しからず…)

本日、授業でモノクロ暗室実習を行いました。
担当助手だったので僕も暗室に立ち合ったのですが、学生達よりもテンションが上がってしまいました!
と言うのも、学部在籍時代にモノクロとカラーの暗室授業を受けて以来、実に10年ぶりに印画紙に写真を焼いたのです。水中から生まれるイメージに素朴に感動してしまいました…!

参加した学生達に聞いてみた所、驚いた事に「フィルムのカメラを使った事がない」という学生がいよいよ出始めました。デジタルカメラ・ネイティブ時代の到来です。
(もちろん、これは彼らの経験値が足りないという事ではなくて、僕たち大人が作った時代の反映です…)
しかし、印画紙を初めて使った彼らの反応は非常に好意的で、現像液に浸した印画紙から像が浮かび上がる瞬間の魔法は健在だと再確認した次第でした。

そう、光学機器を使って感光させて印画紙に焼くという写真の伝統的な工程はデジタル全盛の今でも続ける意味があると思います。
いくつかの理由があると思います。羅列すると:
・印画紙によるプリントの品質が高い(質感・発色も良く、耐経年劣化性もある)
・手作業が介在する為、作品的価値が生まれやすい
・文化的価値
などがあげられます。

残念な事に、印画紙や引き延ばしといった文化は、現在急速に無くなりつつあります。
つい先日もコダックがカラー印画紙の生産を中止したのは記憶に新しいです。

しかし、「フィルムや印画紙を保全しよう!」というだけでは、世界的なデジタル化への流れは止まりません(また、止める必要もありません)。橋渡しとなるようなイノベーションこそが必要です。
例えば、SDカードを引き伸ばし機に差し込むと画像データが光に変換されてイーゼルに投射され、従来通りにプリントが作れる『デジタル対応引き伸ばし機』があったらどうでしょうか?
(ラムダプリントを自分で作れるようなイメージですが、もちろん従来のカラーペーパー全てが使える構造を想定して下さい)

そうすればカラー印画紙の需要も一定量確保されます。自ずと、供給も復活します。
デジタルを使わないフィルム世代も、フィルムを触った事が無いテン年代の若者も、分け隔てなくデジタルと暗室を横断するきっかけになるかもしれません。
コダックもカラー印画紙生産を再開するかもしれませんし、「デジカメでしか写真を撮らない」若者達が、こだわりの一枚を作る為に暗室を使う―
などというニーズが生まれるはずです。

暗室が残ります。そして暗室が残れば、フィルム文化も一定量残るのです。

『デジタル対応引き伸ばし機』、あればいいなと本気で思います!
僕はデジカメで撮った写真を、印画紙にどんどん焼いてみたいと素直に思っています。
そしてそう思う若い人たちは、ぜったい多い。

このアイデアは機会を作ってメーカーさんにお話できればと思っています。
マジで!

2010年4月30日金曜日

エクスパンデッド・フォト研究所























(写真上:“ My sputnik ” photo by Kazuomi Furuya. 2009)


勤務している大学の所属コース内に有志の部活、
「エクスパンデッド・フォト研究所EXPANDED PHOTO LABORATORY/通称exphoto)」を立ち上げました。
今日から毎週一回、楽しく知的好奇心にあふれた写真の研究会を開きます。

要するに写真部なのですが…大げさに言えば:
「ダゲレオタイプからGoogle画像革命まで、一連の写真の歴史を連続的に捉え、今日的な写真表現を思想・技術の両面から研究する」というお題目を掲げております。

近年のデジタルテクノロジーの進歩で写真が万人にとって「近くなった」事は事実です。
10年前に比べて、写真は絶対的に「撮りやすく」なりました。
そして同時に、グーグルの映像革命(画像検索・衛星写真・ストリートビューetc...)によって、写真は万人にとって「検索すれば出てくる」ものにもなりました。

それでも人は、まだまだ「見た事がないものを見たい」と渇望します。

僕自身は映像畑出身ですので、写真に関わる事は多くても「専門分野」ではありませんでした。
ただ、この状況を見ていると研究領域として非常に興味が沸いてきます。
ここ近年写真の作品を個人的に制作している事もあり、とにかくこれは部活にしなくては!と思った次第なのです。

メディア芸術を専行する今日の学生達は、表現に対する柔軟な変化球をたくさん持っています。
僕も教える立場という訳ではなく、どんどん彼らとキャッチボールをしてお互いに切磋琢磨できればと期待しています。

今日は初回の研究会を行いました。意外にも多くの学生さんに来てもらって感謝!
各所員の作品&自己紹介のあと、研究テーマのヒントとなりそうな事例を見て質疑応答をしました。

この部活はあくまでこっそりと、東京都下から…
地味に盛り上げていきます!